ブルーベリーはツツジ科スノキ属に分類される落葉樹で、北アメリカが原産地です。

20世紀初めごろ、アメリカで野生のブルーベリーからよい系統を選抜して品種改良を重ね、現在つくられている品種が作出されました。

果樹のなかでは栽培の歴史が浅く、新しい果物です。

ブルーベリーの3つの系統

ブルーベリーには大きく分けて3種類の系統があります。

ハイブッシュブルーベリー、ラビットアイブルーベリー、ローブッシュブルーベリーです。

栽培用の種類はハイブッシュとラビットアイで、ローブッシュは北アメリカの野生種です。

さらにハイブッシュは北部ハイブッシュと、南部ハイブッシュ、半樹高ハイブッシュの3種類に分けられます。

種類特徴代表的な品種
ハイブッシュ北部寒冷地向きコリンス、コビル、スパルタン、ブルークロップ、ダロウ、アーリーブルー、おおつぶ星、ブルーレイ、ドレイパー、エチョータ、ブリジッタ、デューク、ヌイ、ウェイマウス など
南部温暖地向きシャープブルー、ミスティ、ガップトン、、リベイル、、ジュエル、オニール、サンタフェ、スター、レガシー、オザークブルー、サファイア、サミット など
半樹高寒冷地向きノースランド、ノーススカイ など
ラビットアイ温暖地向きホームベル、ウッダード、ティフブルー、T-100(ノビリス)、オースチン、ブライトウェル、クライマックス、フロリダローズ、オクラッカニ―、バルドウィン、ブライトブルー、デライト など
ローブッシュ北アメリカの野生種-

ハイブッシュブルーベリー

北部ハイブッシュブルーベリー

従来から栽培されているブルーベリーで、木の高さは1~2m程度になります。

果実の品質がよく、日本で最も多くつくられています。

ただし、酸性土壌でないと生育が悪くなるので注意が必要です。

南部ハイブッシュブルーベリー

北部ハイブッシュよりも暖かい地域向きの種類です。

冬に暖かい地域でも、冬眠から覚めやすい性質をもっています。

酸性土壌で生育がよくなり、寒冷地では枝の凍害が発生しやすいのでつくれません。

半樹高ハイブッシュブルーベリー

北部ハイブッシュとアメリカの野生種ローブッシュの交配種です。

木の高さが1m以下と低く、冬に株が雪に隠れてしまう寒冷地でも、凍害を受けずに栽培できるのが特徴です。

ラビットアイブルーベリー

果実が熟する前にウサギの目のように赤くなるので、このように呼ばれています。

木の高さは1~3m程度になり、木の勢いもよく、ハイブッシュに比べて土壌を選ばずに栽培できます。

夏の高温や乾燥に強く、温暖地向きです。

ローブッシュブルーベリー

ワイルド(野生)ブルーベリーとも呼ばれるブルーベリーで、アメリカ北東部からカナダ南東部に自生し、岩や石が突き出ているような荒れ地で生育しています。

木の高さは15~60cm程度になり、地を這うような樹形になります。

アメリカのメイン州が大産地で、野生の果実が、加工向けのブルーベリーとして使われています。

からだによいとされるポリフェノール類が栽培品種より多く含まれています。

ブルーベリーを育てる際のポイント

苗木を2品種以上購入する

苗木を購入する場合は種類を確認し、同じ系統のなかから、2品種以上をそろえるようにします。

ブルーベリーは自家不和合性のある果樹です。同じ品種ばかりを何本も購入しても受精がうまくいかず、果実をたくさんならせることはできません。

また、ハイブッシュとラビットアイの間でも受精をすることはできないので、同じ系統のなかから、2品種以上をそろえるようにします。

自家不和合性とは

自家不和合性とは、同じ品種どうしで受粉をしても受精ができず、果実がつけられない性質のことをいいます。

ブルーベリーではラビットアイでこの性質が強く、他の品種の花粉で受精をさせる必要があります。

ハイブッシュは自分の花粉でも受精することができますが、他品種の花粉を受粉させると、果実の結実がよくなり、果実が大きくなります。

いずれにしても、どちらの系統も、他品種の花粉をつけたほうが、夏の収穫が楽しめます。

防鳥ネット張り

果実の成熟が始まると、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、オナガなど鳥の被害が多くなります。

網目が10~20mm目の防鳥ネットを張りましょう。

庭植えでは支柱を立てて架線を張り、ネットをかぶせるとよいでしょう。

鉢植えでは、鳥の入ってこない場所に置くこともできますが、ブルーベリーの生育のためには室内よりも戸外の日当たりのよい場所に置きましょう。